フォークオフセット変更ー構想
2016/11 955iフォークオフセットについて
左は'97 T595のステム。右は'99 CBR900RR(SC33後期)のステムです。
1997年のT595/955iのステムはオフセット40mmでした。同時期の国産SSがタイヤのハイグリップ化とエンジン出力向上による車体の安定性とハンドリングの軽快性を両立するために、リヤはスイングアームを伸ばしつつ、フォークの倒立化とオフセットを35mm→30mmに移行してキャスター・トレールの見直しが進んでいました。
東京出張でbb1からT595の足回りについてお世話になったトガシエンジニアリングに寄った際にステムオフセットの話になり、955iの45mmフォークにフィットするオフセット違いの車種を他メーカー含めて調査する事になりました。
パーツリストからパーツを確認
元々のT595が使用するステムのベアリングは上がボールベアリング。下がテーパーローラーになっています。
何を思ったのか予圧の掛けられないボールベアリングを採用しシングルナットになっていました。当然ガタは大きいので上トリプルクランプで蓋をする様にアルミ六穴キャップがベアリングのインナー受けになっています。
・NSK製:6205 25mmx52mmx15mm
・KOYO製:32006JR 30mmx55mmx16mm(+2mmシール)
これをT595の時に一時期は以下のアンギュラタイプのボールベアリングに変更していました。下ベアリングはHONDA系純正パーツです。
ここら辺は時代によりテーパーだったり最近ではアンギュラータイプのボールベアリングだったりする訳ですが操舵機構でもあり制動時の荷重が集中する場所でもあるので無負荷状態での低抵抗云々が良いかと言われるとブレーキラインとかケーブルとか配線とかメーター類とか抵抗になるものがあって良く判りません。
・NSK製:7205 25mmx52mmx15mm
・KOYO製:SAC3055-1 30mmx55mmx17mm
955iになってメーターのAcewell化によるフロントフォーク周りの軽量化と速度ケーブル廃止、クラッチケーブルの油圧化によるワイヤーケーブルの取り回し改善を進めてきた訳です。
将来的にはメーター本体をトップブリッジからフレームマウント式に変更も検討中です。
候補選定
トップブリッジなどステムのワンオフ製作やフォーク交換を行わずに955iに合いそうなオフセットの異なる代替ステム検討ですが、45mmフォークでフォークスパンが200mm以上と広いステムでオフセットの少ない車輌は
〇オフセット30mm/スパン214mm/ステム径(上/下)26mm/30mm
・HONDA CBR900(SC33後期)
〇オフセット30mm/スパン207mm/ステム径(上/下)30mm/30mm
・SUZUKI GSX-R600K1(AD)
〇オフセット35mm/スパン204mm/210?/ステム径?
・CBR600F4i/CBR600RR前期
・CB1300SF(PC37前期)
・CBR900RR(SC28)
955iはオフセット40mm、フォークスパンは210mm、ステム径25mm/30mmです。
純正パーツ流用で問題になるのは上下ベアリング外径によるフレーム側の制限です。最近の倒立フォークを採用したモデルはステム径が30mm以上のため概ねベアリング外径が55mm以上になるためステムシャフトの打ち替えが必要となります。
出来ればあまり新規製作や大掛かりな加工を行わなわずにオフセットを変更したい訳です。
最終的にCBR900RR(SC33後期型)のステムを採用する事にしました。
パーツカタログからステムベアリングを確認して955iのフレームに組み込み可能かを確認する事になります。
ステムベアリングについては下側はSAC3055-1をそのまま使えます。上側ベアリングは内径26mmが特殊でしたが海外の通販サイトで内径26mmx52mmx15mmと言う都合の良いSKF製ベアリングに候補が見つかりました。
その他はテーパーローラーになりますが今更な感じですし。アンギュラータイプは26x47で使えません。
厄介そうなのはステムシャフトのネジ切りの位置合わせとキーシリンダーのネジ穴位置に955iのキーシリンダーが入るかと、ハンドルロックの突起がフレームに当たらないかを確認する必要があります。
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