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注目

955i-2 Clipers overhaul

 右キャリパー1個分 中古で購入して5年以上メンテナンスしてこなかったキャリパーを整備する訳ですが、在庫してたシールキットはアキシャルキャリパーP34/30用キットで、M4 34/34キャリパー用では有りませんし、4セットのみですからM4キャリパー1個分しかメンテナンス出来ません。 左右キャリパーどちらでも良いのですが、まずはこのシールキットが流用出来るかどうかを確認するために右側をO/Hする事にしました。 ピストン外し ブレーキラインを外してリザーブタンクとライン内のフルードを抜いた後にキャリパーをフォークから外します。下にトレイを置いてから何の根拠も無く外したラインからフルードが出てくるのを見てたらリザーブタンクの中身まで空になりました。止まらないのね(^_^;)。 キャリパーからパッドとパッド抑えを外してキャリパー内の残ったフルードを抜いてから、ピストン回しツールとピストン保護用の樹脂リングを使って4つのピストンを抜いていきます。一体型のモノブロックキャリパーから抜いたピストンは年数が経過しているせいか簡単に引き抜く事が出来ました。 清掃したピストンの表面をチェックして目立つ傷が無い事を確認します。次にフルードが残るキャリパー本体をシール類を取ってから綺麗に清掃しておきます。シールの入る溝は楊枝で擦った後にパーツクリーナーで汚れを落としました。 ダストシールは流用不可 HONDA純正(中身はブレンボ)のP34/30キャリパー用シールキットのシール類と外したM4キャリパーのシールを見比べたら、ピストンシールは互換性がありますが、ダストシールの厚みが異なり流用は出来ませんでした。やはりモノブロックだとピストン高さが低いせいかダストシールは0.5mm程の厚みになっていました。 まあ仕方無いですが、今回の整備の主役はピストンシールなので、ピストンシールだけ交換する事にします。 キットに付属しているアセンブリフルードを容器に出しておいて、掃除したダストシールと新しいピストンシールを浸けてから、それぞれの溝に嵌め込んでいきます。 次はピストンにアセンブリフルードを塗ってキャリパー本体に嵌めていきます。キャリパーはアセンブリフルード塗れになるので綺麗に掃除した後の画像しかありませんが。 追加発注 ブレーキラインを再接続してキャリパーをフォークに固定してから、エア抜きを行いあ

Bimota BB1 1998 足回り対策

1998/1 サスペンション交換

ダイナミックサスペンション装着
九州からフェリーを使って関西や北陸などあちこち連れ回したせいか純正パイオリのリヤサスは約1年を経過し8000km弱でまたオイル漏れを始めました。
1回目は修理(32000円)。翌年に再発した2回目のオイル漏れに際して納期などを考えてサスペンション専業メーカーから選択する事にしました。もっとも何処のメーカーにもBB1のラインナップがある訳は無く、純正品を送ってサスペンションを作成して貰う事になります。
頼んだのは「トガシエンジニアリング」のダイナミックサスペンションです。

純正サスペンション簡易諸元

パイオリ製43mm径フォークは、オフ車並みのストロークを誇ります(笑)。
・バネレート0.77kg(プリロード15mm)
・油面は190mm
・ストロークは130mm
パイオリのリヤサスはリンク無しのカンチレバーサスペンションです。あまり動きません(^^;。
・バネレート10.5kg(プリロード24mm位)

純正ダンパーはコストダウンの厳しいところですから、簡略化されているのが大半ですがメインのダンパーバルブやシムは合わせておかないといけません。 純正のダンパー特性を測定し要望に合わせて新しいサスペンションのダンパー特性を決めて貰います。

当時はダンパーユニットの測定器を持っていたショップは少なかったと思いました。



元のパイオリはプリロード・減衰共に、かなり掛けた状態で使用しているため硬さ(路面からの反力)が全般にあります。これをもっと動かしたい訳です。タイヤのロードインデックスや速度記号を下げる案(ZR規格)も有りましたが、タイヤサイズが少なかったかと。
またコーナー進入や中のギャップでの跳ねが一定しないのはライダーの技量不足も有りましたが、別の問題も有りました。
送られてきたダイナミックのバネは12.5kg。全長、プリロード、減衰設定はその都度代変えていきます。


1998年01月~

・bb1取り付け時
プリロード 17.31mm (サス長159.69mm=自由長177mm):
伸び側減衰 最強から8戻し 圧側減衰 最強から12戻し
かなり後下がりになる柔らかい感じになるため試乗までにプリロードを変更します。

・セッティング変更:試乗
プリロード 19.21mm (サス長157.79mm=自由長177mm)

この設定でも登りのワィンディングの60km/h~80km/hのコーナリングでは、車体が少し尻下がりのアンダー設定になっています。低速コーナーではまあまあな感じ。
フロント油面を20mmアップ(170mm)にしました。当時の装着タイヤはMichelin TX15/25で、空気圧は固めの2.4を基本に2.2まで変更。



・ダイナミックセッティングその1
プリロード 19.8mm (サス長157.20mm=自由長177mm)
伸び側減衰 最強から1回転と1/4戻し
圧側減衰 最強から1回転と1/6戻し

直線ではギャップ等のショックに対する吸収を持たせて、リーンから旋回はある程度リヤが沈んだ姿勢を作り出してトラクションを掛けられる状態に素早く持っていく様に動かしてやる設定を探します。
柔らかめのダンパー設定で、プリロードまたは車高調整を試してみる事にします。次回は車高調整でリヤを上げてみて、どの様に変化するかを設定してみたいと思います。

・ダイナミックセッティングその2
プリロード 19.8mm (サス長157.20mm=自由長177mm)
伸び側減衰 最強から1回転と1/4戻し
圧側減衰 最強から1回転と1/6戻し
車高調整+2mm(2回転)

リーンのきっかけでリヤが沈まないというか不安定でクイック過ぎ旋回に必要なポイントまでサスを沈める事が出来ずフラフラと旋回していきます。そこでプリロードを半回転戻し伸び側を1回転1/6戻しに強め圧側を1回転と1/2戻しで緩めてリヤを下げました。
バランスポイントとしては以前と同じ様なポイントでバランスして良く動きつつ綺麗に旋回して行きます。リーンした状態でシートへの荷重を変化させる事でもっと小回りする事が可能です。なかなか良さそうに思えます。
しかし、この設定では問題が発生しました。下りのストレートでアクセルを戻すとリヤの動きからかヨーイングが発生してしまいました。
あまりにリヤを柔らかくして車高を上げるとスイングアームの垂れ角が大きいbb1では伸び側の動きがロックしてしまいヨーイングが発生する場合があると聞きました。帰宅後、車高調整を1mm戻し、プリロードと減衰を変更しました。

・ダイナミックセッティング変更後設定
プリロード 19.8mm (サス長157.20mm=自由長177mm)
伸び側減衰 最強から1回転と1/6戻し
圧側減衰 最強から1回転と1/6戻し
車高調整+1mm(1回転)

途中で以下のイベントを挟みつつ(笑)、セッティングを変えながら丸々一年間経過しました。
・イグナイタートラブル
・定番ウォーターポンプシール漏れ
・エキゾースト交換
・GMD測定、車体修正
・ステムベアリンク交換
・クラッチ盤交換
・ホイールベアリング交換
・チェーンスライダー交換
・タイヤ交換(Pirelli Dragon Corsa)

1999年2月~

GMDの測定を経てフロントのキャスター角が極端に立っている事が判っていました。逆にスイングアームの対地角を減らし車高を下げ、フロントのキャスター/トレールを増やす方向でセッティングを出す方向に持っていくやり方をトガシエンジニアリングから聞いて試してみる事にしました。
1.プリロード 36.8mm (前回40mm)
 ※間が空いたので基準点を変更
2.伸び側減衰 最強から3/4戻し
3.圧側減衰 最強から1/2戻し
4.車高調整-3mm(前回-1mm)
※フロントフォークも合わせて変更しました。
1.プリロード 10.3mm
2.伸び側減衰 最強から5クリック戻し
3.圧側減衰 最強から3クリック戻し
4.油面 160mm(+10mm)





最終的には判りませんでした

ダイナミックのセッティング初期に車高調整で車高を上げて徐々に落としたのはバイク自体の安定性はライダーが補う分、キャスターを立てて前輪の動きにもっとクイックさが欲しかった訳です。
リヤサスが沈み込んでもキャスターが立ちタイヤの実舵角が付かない分アクセルや体重移動その他で辻褄合わせしていたと感じですね。
リヤの車高を下げてからはリーン開始には少し力が入るが一端向きを変えてしまえば、車体の安定を利用してアクセルを開けてのコーナーリングがやり易い感じです。
またリヤを下げてスイングアームの対地角を押さえた事で加速感が良くなりました。それでも油面が低くくプリロードを上げた以前のパイオリの様にギャップ通過時リジッド気味に跳ねる事は無く突き上げられる事はありません。
フロントは油面を上げるかオイル粘度を5-10から10~15へ上げる方向で見直しする予定。

この後、1000km走行後にラジエーターを強化しました

その後、2000kmを走ったところでフロントスプロケットが走行中に外れて飛んで行きました(^o^;)。幸いチェーンは何処にも噛み込まずスローダウン出来ましたがスイングアームは当たって削れていました。
流石に身の危険を感じて、セッティングも途中のままで売却する事にしました。
取り外したダイナミックは仕様変更後、T595に移植され3万キロ以上走行後に4年間放置され、2018年にふたたびOHして955iに移植され元気に走っています。

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